日本統一37では前作(日本統一36)から続く、中国マフィアとの抗争&大宮の遺児エピソードが完結します。
一方で丸神会では、沖田と菊村が正面衝突!武闘派のクーデターに一つの結果が出ます。
本作の見所は「麻薬事件の真犯人はだれか」「丸神会のクーデターはどうなるのか」というサスペンス要素と、田村VS中国マフィアの怪物男の2回に及ぶ格闘シーン!
スピード感のあるエピソードなので、これまでの経緯を分かっていないと「なんでこんなことに?」と理解が難しいかもしれません。
そこでここでは、本作「日本統一37」の重要なポイントにしぼってあらすじを解りやすく解説いたします!
「日本統一37」あらすじを解説
大宮隼人の行方
前作で初登場した大宮隼人は元侠和会で死亡した大宮(日本統一4~日本統一5に登場した三上組の舎弟頭)の息子です。
彼は薬物所持で逮捕されたのですが、警察署から抜け出して逃走してしまいました。彼の行方を警察だけでなく侠和会、三上、中国マフィアがそれぞれを追っています。
姉の大宮マユミも侠和会と中国マフィアが探していますが、彼女は三上が匿っています。
丸神会の菊村と海部は、沖田と侠和会を貶めるために中国マフィアから薬物を購入する計画だったのに、肝心の麻薬が手に入らないので焦ります。
海部は部下の小渕に「まだ麻薬が手に入らないのか!」としつこく突き、小渕は追い込まれていきます。
三上は侠和会(氷室と田村)にマユミの居場所がバレそうになったので、別の隠れ家に移送することを決めます。
しかしマユミを移送中に彼女が逃げ出してしまい、三上は焦ります。
中国マフィアVS侠和会
大宮兄弟を追う氷室に「兄弟が子供の頃遊んでいた場所とか隠れ家・・・なにか思い当たるところはないか?」と言われ三上は思い当たる場所が浮かびます。
その頃、マユミは隠れ家の廃墟に到着しており、隼人と合流します。
マユミは隼人を心配するようように見せかけて、隼人をアイスピックで殺そうとします。
隼人は気づいておらず、あわやというところで、三上が到着しマユミはアイスピックを隠します。
三上が到着した直後に、なぜか中国マフィアも到着し、三上と対峙します。登場したのはマフィアのボス「シー・キエン」と彼の子飼いで筋肉ムキムキの怪物男です。
シー・キエンは「日本統一外伝~川谷雄一~」に初登場した中国マフィアで、当時の侠和会(川谷、大宮、三上)に計画を潰され中国に逃げ帰った男でした。
大宮兄弟の母であるメイファは彼に騙されて日本に連れてこられ薬物漬けにされた過去があり、彼女の死にも関係があります。
三上は大宮兄弟を守ろうと怪物男に挑みますが、簡単にやられてしまいます。そこに三上を尾行していた氷室と田村が到着し、加勢します。
しかし怪物男が強すぎて、田村は負けてしまい病院送り。
氷室は大宮兄弟をシー・キエンから守り助けようとしますが、シー・キエンを倒した直後に三上にスキを突かれて意識を失う。三上は、大宮兄弟が極道を嫌がるため、自分ひとりで大宮兄弟を守りたい様子です。
結局、大宮兄弟と三上は、侠和会と中国マフィアの追手を避けて、どこかにいってしまいます。
リベンジに燃える氷室と田村
怪物男にやられたことが悔しい田村は、病み上がりにもかかわらず、部下と一緒に猛特訓します。
一方氷室は、大宮兄弟が中国マフィアに追われているのは薬物絡みではないかと考え始めます。
このころ丸神会にも「氷室と田村が中国人にやられた」との一報が入ります。交戦派の辰巳は「侠和会を叩くチャンスだ!」と執行部で進言しますが、誰も相手にしてくれません。
殆どの執行部は侠和会をよく思ってはいないものの、「日本最大の極道組織(侠和会)に挑んで日本統一を目指すなんて、バカバカしい」と思っている様子です。
辰巳の相棒である菊村は海部の麻薬作戦を進行中です。
侠和会と中国マフィアの抗争に火に油を注いで弱体化させ、同時に沖田に濡れ衣をきせて失脚させるつもりですが、肝心の麻薬が届かず、苛立ちを覚えます。
沖田は菊村が麻薬を仕入れていることをしっており、丸神会は薬物ご法度のため、潰れると思っています。
中国マフィアとの抗争に決着
三上は大宮兄弟を国外(フィリピン)に逃がすつもりでいます。
マユミは「日本を立つ前にしきりに父(大宮)の墓に行きたい!」と仕切りに言いますが、三上は危ないから駄目だと断ります。
この隠れ家のことをしっているのは、三上、大宮兄弟、三上の部下である健一(健さん)だけだったはずなのですが、なぜか中国マフィアにバレてしまい三上は失神、隼人は中国マフィアに捕まり、マユミは逃げます。
実は中国マフィアから麻薬を盗んだのはまゆみで、隼人を密告し捕まらせたのも、隠れ家をばらしたのもまゆみでした。
マユミは、隼人を身代わりにしようと考えていたのです。隼人を殺そうとしたのも口封じが目的だったようです。
三上はマユミが「父の墓にいきたい!」とゴネていたのを思い出し、氷室と田村をつれて墓に向かいます。
大宮の墓でマユミを見つけると、マユミは銃を持っており、これまでのことを自白しつつ逃走しようとします。
一方、隼人は中国マフィアに薬で尋問され「姉は父の墓に行きたがっていた。」とバラしてしまいます。中国マフィア(シー・キエンと怪物)も墓にたどり着き、マユミを殺してしまいます。
その後、シー・キエンは氷室に返り討ちにあって殺され、怪物は田村がリベンジして殺します。
マユミが自白した真相(隼人に濡れ衣をきせ殺そうとした事)は隼人にはつらすぎると感じた氷室と三上は、「姉ちゃんは最後までお前のことを思って死んだ」とウソを付きます。
丸神会に不穏な空気
中国マフィアが壊滅したことにより、菊村と海部が企んでいた麻薬による侠和会を貶める作戦は失敗します。しかし沖田が麻薬代を払った証拠テープがあるため、沖田を失脚させる作戦を実行に移すことを決めます。
この頃、丸神会内の不穏な動きを感じた侠和会は、海部のライバルである神山に「海部を見張れ」と指令を出します。
丸神会の定例会において、菊村は沖田が麻薬購入に関係した証拠テープを突き出し沖田を潰そうとします。
しかし沖田は不敵に笑い、もう一つの証拠テープを突き出します。
実は海部の部下である小渕が沖田側に寝返っており、テープには菊村と海部による沖田を薬物事件でハメて落とす作戦の会議内容が収められていました。
観念した菊村は「オレ一人でやった。海部は俺に無理強いされ、辰巳は計画そのものを知らない」といって小渕をその場で殴り殺します。
菊村は丸神会と絶縁になるも「辰巳の元で働く裏の実行部隊になる」と辰巳に告げます。一方で辰巳と菊村がつながったままだと辰巳の立場が危ういので、仲違いした芝居を打ちます。
そして海部は菊村から辰巳の部下に移ります。
海部を見張っていた神山は、海部に怪しい動きがあると察知するが、何者かに襲われてしまいます。
本作においては神山の生死は不明のまま、幕は閉じます。
「日本統一37」登場人物
氷室 蓮司
【侠和会】若頭・龍政会会長
氷室は日本統一シリーズの主人公ともいうべき人物。知略にたけた頭脳派ですが、実は喧嘩も強く、本気をだせば田村より強いと田村自身が語っています。
本作では恩のある三上のため、部下を使わず自ら奮闘します。
田村 悠人
【侠和会】本部長
田村は氷室に続く準主役の人物。喧嘩っ早く単純ですが仲間には情が厚く、頼れる兄貴分です。氷室がキレた時に抑えられるのは田村だけで、場合によっては田村のほうがずっと冷静です。
わりと刹那的な考えをしており、地位や名声には殆ど興味なし。氷室や川谷、仲間が楽しく生きられればそれでいいと考えているようです。
本作では恩のある三上のため、ひさしぶりに氷室と一緒に二人だけで行動するシーンが目立ちます。
川谷 雄一
【侠和会】会長
川谷は、侠和会の3代目会長。日本統一1作目では侠和会内の山崎組若頭という立場でしたが、どんどんと出世しトップになりました。
極道としてはとても優秀な人物ですが、女関係のトラブルが多く、本作では氷室達や妻に浮気を疑われてしまいます。
三上 哲也
【一般人】元・侠和会若頭補佐
元々は侠和会の若頭補佐で若頭すら狙える大幹部でしたが、氷室や田村のために引退し、現在は一般人として生活しています。
土木業や飲食店を経営しながら、前科持ちや元極道の校正に尽力しており、氷室や田村は今でも頭が上がらない人物。
面倒見がよく、川谷とは盟友といえる間柄です。
石川 健一
【一般人】元・三上組幹部
侠和会にいたころは、三上の腹心として腕を奮っていた人物です。三上が引退する時に一緒に引退し、現在も三上を補佐する立場で奮闘中。三上に似て面倒見の良い人物のようで、極道稼業には未練がない様子です。
大宮 和也
【故人】三上組 舎弟頭
三上や川谷とは旧知の仲で、特に三上とは相棒のような存在だった人物です。
喧嘩っ早く粗暴で、狂犬のような人物でしたが、認めた相手には尽くしたり、面倒見が良かったりと、2面性のある男でした。
最後は大暴走して、三上に殺されてしまいますが、その事実を彼の子どもたちは知りません。
大宮 隼人
【一般人】大宮の息子
大宮とメイファが残した遺児で、多少素行が悪く前科持ちの男ですが、そこまで性格の悪い人物ではなさそうです。
本作では薬物所持で逮捕されてしまいますが、実は姉に濡れ衣を着せられていました。
大宮 まゆみ
【一般人】大宮の娘
大宮とメイファが残した遺児で、隼人の姉にあたる人物です。現在はスナックを経営している様子。(おそらく、三上が援助している)
三上のことは信用している一方、日本人や極道は一切信用しておらず、むしろ親の仇と考えています。
実は弟を犠牲にしてお金儲けしようとしており、最後は中国マフィアに殺されてしまいます。
大宮 メイファ
【故人】大宮の妻
「日本統一外伝~川谷雄一~」で登場した中国人の売春婦で、極道に飼い殺しにされていましたが、大宮が救い、のちに結婚します。
大宮の死後は、また売春婦に身を落とし、失意のまま死んでしまいます。
神山 実
【侠和会】北陸ブロック長
元々は北陸地方で侠和会や丸神会に属さない極道でしたが、大きな抗争がおこり、侠和会に入った人物です。
ライバルである海部と違って、義理や人情を大切にしており芯のある男です。
本作のラストで何者かに襲撃され、生死が不明です。
●中島 勇気
【侠和会】中島組組長・四国ブロック長
中島は、氷室に従う部下の一人。氷室と田村からの信頼も厚く、彼自身も忠義に厚い人物です。
派手に手柄を上げるタイプではありませんが、独断専行するようなこともなく、サポート力抜群です。
氷室チームの中ではバランスの取れた人物で、知恵も戦闘力もそこそこあり、事あるごとに氷室から指令をうけては忠実にこなしていきます。
● 川上 章介
【侠和会】山崎組若頭補佐
川上は中島と同じく、氷室と田村をずっとサポートし続けてきた人物。一度は刑務所にお世話になったこともありますが、復帰後も前と変わらず支え続けています。
氷室も「いつも損な役回りをおしつけてしまう」と語っていますが、本人は気にしておらず、氷室と田村のために身を粉にして働く、縁の下の力持ちです。
本作でも氷室の手足となり、奔走します。
●坂口 丈治
【侠和会】山崎組 四代目組長
坂口 丈治は川谷の実子。現在は山崎組組長という立場にあります。登場当初はただのチンピラのような性格でしたが、氷室や田村に触れて成長、いまではりっぱな極道となっています。
侠和会の初代会長の実子、権田 陵一とは良いライバル関係で、お互いに意識しあい、どちらが先に出世するか争っている節もありましたが、現在では良き親友でした。
本作ではあまり出番がありませんでしたが、今後の活躍は期待できそうです。
●大成 虎雄
【侠和会】川谷組幹部
田村からは「虎」と呼ばれている田村の子分。氷室に懐いていないわけではないが、どちらかといえば田村にべったり。
田村をもう少し可愛く、かつお馬鹿さんにしたような性格で、粗暴な部分もあるが情に厚く、人情沙汰には弱い様子。
武闘派で田村と一緒に戦うことが多い印象で、何気に戦闘時の反応は早く、田村の良いフォロー役となっています。
●石澤
中島と同じく氷室や田村の指示に従う、いわゆる氷室一派の一員ですが、あまりこれといった見せ場は今の所ありません。
中島とおなじく、神戸の暴走族でしたが、氷室たちに惚れて付いていき、そのまま極道になりました。
●川村 軍平
【一般人】前科持ちの薬物中毒者
前科がある人物で、三上が拾って校正させようとしましたが、薬物に手を出して行方をくらませてしまった人物です。
錯乱して警官を殺傷し、立てこもり事件をおこして、また逮捕されてしまいました。
彼の薬物入手先が大宮隼人ではないかと言われています。
海部 真一郎
【丸神会】我尊会会長
菊村の盃を受けており、丸神会鶴見組直下の極道です。
金勘定や自分の損得しか考えておらず、丸神会に尽くそうとは考えていませんが、強者にはへりくだるところがあります。
本作では部下の大内に裏切られ、親分である菊村が失脚したことで、辰巳の子分となります。
大内
【丸神会】我尊会 幹部→死亡
海部の腹心で、自己中心的な海部に振り回されていますが、彼自身も義理や人情より保身や儲けを第一に考えている様子。
前作では沖田を罠にはめて、菊村と辰巳に組みしている様子でしたが、実は二重スパイで沖田側に寝返っていました。
菊村の怒りを買い、殺されてしまいます。
三田 太源
【丸神会】ニ代目会長
三田は丸神会を統べる会長。熟考に熟考を重ねて行動するタイプで、衝動的な行動を嫌う。会の事を第一に考えており、己の身可愛さに行動することはない様子。
政治家との癒着にはこりており、今後は極道らしく生きると決めています。
侠和会とおなじく、薬物の使用は許しておらず、その理念が丸神連合内での派閥争いに利用されてしまいます。
沖田 学
【丸神会】幹事長
沖田は、丸神会のNo2ともいうべき人物。三田の指示通りに動いており、時に冷徹な判断もできます。
三田にかわり丸神会の執行部を動かすことも多いのですが、型破りな部下が多く、頭を悩ませています。
どちらかといえば穏健派で、物事は慎重に動かしたいと考えているのですが、武闘派の菊村や辰巳が言うことをきかず、彼らを除籍させようと考え始めます。
●小野寺 和昌
【丸神連合】理事長補佐・極山会ニ代目会長
東北の的屋系極道をまとめる極山会の2代目理事長。平川や植木とは馴染みのある人物。
以前、辰巳が勝手に自分の部下を煽って、平川と植木を襲わせたことに苛立っており、辰巳は除名すべきとすら考えています。
沖田派に属する穏健派で、菊村とも仲が悪い様子です。
菊村 重政
【丸神連合】幹部・鶴見組組長→絶縁
菊村は鶴見組のNo2ともいうべき人物だったようですが、鶴見が死んだことで、鶴見組を受け継ぎ、組長となって幹部入りします。
鶴見と同じくかなりの武闘派でイケイケなタイプであり、侠和会に復讐したくて仕方がありません。
幹事長の沖田が侠和会との抗争を始めないのに苛立ちをおぼえており、かなり仲が悪い状態です。
本作では、沖田の計略によって潰され、丸神回から絶縁されます。
辰巳 龍三
【丸神連合】三田組 幹部
三田組に所属している武闘派で、三田会長に心酔している人物。
以前、三田会長が権田により殺されかけたことに怒りが抑えきれておらず、三田を思うがばかりに、彼の思惑も確認せず、武力で侠和会を押さえつけようと考えています。
菊村と組んで妥当侠和会に燃えており、沖田派とは仲が悪い状態です。
美南
【一般人】川谷の妻
美南は、元々は小料理屋の女将でしたが、現在は川谷の妻となっています。
侠和会にとっては良い姐さんとして慕われており、大切にされています。
前作では川谷の浮気を疑い始め、かなり機嫌が悪い様子。
シー・キエン
【中国マフィア】
過去に川谷や三上と因縁のある中国マフィアで、今回薬物事件をおこしている頭目です。
まゆみに麻薬を奪われてしまい、最後はまゆみを射殺しますが、氷室によって殺されてしまいます。
大宮兄弟の母であるメイファの仇でもある人物でした。
マフィアの怪物男(無名)【NEW】
【中国マフィア】
筋肉自慢で口数の少ない男。格闘がとても得意で、1対1では田村も勝てない男でした。
最後は田村とその子分の二人組みに殴られ、首をしめられて殺されてしまいます。
小野
【刑事】
神戸県警の刑事で、三上や大宮隼人を尋問する人物。
三上が薬物を使っているとはおもっていないようですが、仲が言い訳でもありません。
ただし極道とは繋がっており、賄賂を貰っているなどまっとうな刑事ではない様子です。
まとめ
ポイント
- 大宮の遺児エピソード、シー・キエン一味の暗躍は本作で終結。
- 丸神会内では、菊村が失墜するが、辰巳の裏の実行部隊となったことで更に凶悪になる
- 本作のラストで神山が襲われたため、丸神会との新たな抗争が始まりそう。
大宮の遺児や三上にかんしては、三上は無事、姉のマユミは死亡し、弟の隼人は刑務所送りになります。
三上はそのままなので、再登場する可能性あり。隼人も刑務所から出るエピソードが今後あるかも。
もし隼人が再登場するなら、父を殺した犯人は三上であると知らないままなので、そこが大きな問題になりそうです。
一方、丸神会では武闘派の菊村が丸神会からクビになりますが、裏のヒットマンとなったことで次作から問題を起こしそう。
神山は菊村に殺されたのかもしれません。