日本統一14は日本統一12から始まる東北編の最終章となります。進友会が侠和会の人間を殺してしまったことで、ついに侠和会と進友会が激突します。そして東北の覇権争いを影で操り大混乱に陥れていた則坂も年貢の納め時となり、氷室と平川の二人に追われる身となります。
一方、健太と平川が三角関係になったり、東北の覇権争いのついでに北海道にも進出するなど、内容は盛りだくさんです。東北編は登場人物が多く分かりにくいところも多いですが、後々のエピソードにつながる重要な伏線が多いのも事実です。
そこでここでは、日本統一14の重要な事件やポイントに絞ってわかりやすく紹介していきます!
日本統一14のあらすじ・みどころ
財前組刺殺事件
財前組の竹原と進友会が縄張り争いで口論となり、路上で喧嘩に発展します。そして進友会の若手が竹原を刺殺してしまいます。
この事は、侠和会で大きな問題となります。侠和会と名乗りを上げた上での刺殺事件なので「侠和会とは知らなかった」では済まされず、財前の怒りは頂点に達します。財前の親分である渡部も進友会に落とし前を付けないわけにはいかないと声をあげます。
侠和会はこれまで東北の抗争で静観の構えでしたが、事件の顛末や渡部の言い分に納得した工藤会長と川谷は、進友会を徹底的に潰すことを決め、東北に多くの戦力を送ります。
侠和会の動きを知った進友会の平川会長は、東北神農会に迷惑をかけたくないと東北神農会を脱会し、進友会だけで侠和会と戦うことを決めます。こうして侠和会の財前組と進友会は抗争状態となり、各地で乱闘事件をおこしていきます。
一方、進友会と既に抗争中の菖蒲川一家の野宮総長は、この抗争のなかで生き残れないと感じ、財前に助力を求めます。すると財前は、「馬場に兄弟盃を返し、自分と親子盃を交わして子分になれ」と言います。
侠和会でもTOP5に入る馬場との兄弟分と、侠和会の幹部にすらなっていない財前の子分では立場が大きく下がりますが、野宮は生き残るためと涙を流しながら財前組に入ります。こうして菖蒲川一家は侠和会傘下になります。
アヤと健太
侠和会と進友会の抗争の中、健太はアヤと出会います。アヤは平川の元カノでスナック「セピア」の経営者ですが、その事は知りません。
健太とアヤは一夜を共にするほどの中になりますが、ある日スナックで平川と鉢合わせして、一対一の決闘になります。しかしアヤが仲裁に入り、平川に「また私の前から居なくなる気!?」と攻め立てます。アヤの心が平川にあることを知った健太は身を引き、アヤを大切にするように平川に告げます。
平川としては日本統一12で田村に命を救われ、今回は健太の男気に触れる形となり、侠和会の人間がどういう者達なのか理解し始めます。この事は本作の後半で氷室と出会った時に大きく影響します。
侠和会、北海道進出
氷室は侠和会と進友会が膠着状態になっている事を感じ、今のうちに北海道に進出しようと考えます。北海道の札幌に居を構える極道が話し合いをしたいといってきており、田村を連れて北海道に乗り込みます。
北海道極道の一派が今回の東北の抗争の話をきいて、「侠和会が東北を手に入れたら、北海道に攻めてくるのも時間の問題」と感じたようで、身の振り方を決めてすぐに侠和会入りします。
この北海道進出は本作ではあまり大きな事としてと取り上げられていませんが、後々の北海道侵攻にまつわるエピソードで重要な足がかりとなります。
則坂の計画と末路
則坂は平川や侠和会に追われているため、地下に潜ります。そして丸神連合入りしてしまった元菖蒲川一家の平山に軍資金を持ってくるように言います。平山が現れるとお金だけ奪って「博徒に媚を売りやがって」と殺してしまいます。
則坂は平山の資金を使い、進友会のふりをして侠和会を襲って中島に重症を負わせます。この事で侠和会側は進友会にたいし、より一層警戒を強めることとなりますが、氷室は傑物と言われる平川の取る手段とは思えず「本当に進友会なのか?」と怪しみます。
次に則坂は、侠和会のふりをして進友会の事務所を襲います。こうして侠和会が進友会へ、進友会が侠和会への恨みや怒りが強くなれば、激しい抗争状態となり、漁夫の利を得られると考えていたのでした。
平川は進友会の事務所襲撃の連絡を受けた時、氷室と会合中であり、「俺の留守を狙って事務所を襲ったな!」「ハメやがって!」と怒りを顕にするが、氷室は「俺は襲っていない」「則坂がうらで暗躍している」と伝えます。
平川は「博徒は信じるに値しない極道」と考えているので、信じるか迷いますが、氷室の親友が田村であることを知ります。田村には命を救われた恩があるので、氷室を信じて則坂を追う事にします。
結局則坂は、平川より前に田村に見つかってしまい、則坂組まるごと潰されてしまいます。
東北神農会の侠和会入りと平川の極山会入り
東北神農会は中核であった菖蒲川一家と進友会の両方を失い、侠和会や丸神連合と戦う力は無くなってしまいました。その上で侠和会からは「侠和会入りするか敵になるか二つに一つ。よく考えて下さい」と選択を迫られるようになります。
東北神農会の幹部たちは会議を開き、結論として侠和会入を決めます。こうして侠和会は進友会を除く東北神農会の領地をすべて手中に治め、東北各地に縄張りが出来ていきます。
一方平川は、氷室に侠和会入りを誘われるも「博徒には入りたくない」と断り、極山会入りします。極山会は東北神農会と同等かそれ以上の東北の的屋極道連合ではあるものの今のところ侠和会とモメているわけではないので、一応を解決となります。(氷室にとっても、極山会には植木という兄弟分がいるのでむやみに争う気もないようです)
氷室と平川はアヤの店で酒を酌み交わし、氷室は平川の極山会入りを喜びます。平川は氷室の器の大きさを感じ、事の収まりに納得します。
「日本統一14」登場人物
氷室 蓮司
【侠和会】侠和会幹部
日本統一シリーズの主人公。親友の田村と共に極道入りし、川谷の下で日本統一を目指します。
頭が切れる策士タイプで、仲間内には優しく争いを好まない。ただし敵や気に食わない事にはキレやすく暴力的になる一面もあります。
田村 悠人
【侠和会】山崎組 若頭
日本統一シリーズのもうひとりの主人公。氷室を慕い、共に日本統一を目指しています。川谷の事も尊敬していますが、どちらかといえば全ては氷室のため。
喧嘩っ早く単純な思考回路にみえるが察しが良いし、仲間思いで忠義にも厚い人物。氷室とは逆に芯は落ち着いており、氷室がうろたえたり、キレた時は全力で支えます。
川谷 雄一
【侠和会】若頭 山崎組総長
氷室と田村の命を救い、極道入りさせた張本人。自身の力だけでなく人を見る目もあり、人情味もある根っからの親分肌。
若頭という身分だったが、工藤の引退により三代目会長になります。早くから氷室の実力を見抜いており、自分の側近とすることで力をつけます。
菅谷 謙太
【侠和会】龍征会 会長
氷室の姉の子で、氷室にとっては甥。あまり考えずに突っ走るタイプで、周りに迷惑をかけることもありました。
氷室に心酔しており、氷室のためなら何でも出来ると考えているあたりは、田村と通じるところがあります。
川谷の実子である丈治の教育係となったことで一段と成長し、極道としての貫禄をつけていきます。
工藤 雅信
【侠和会】二代目会長
初代の後をつぎ、日本統一2から侠和会の会長として組を引っ張ってきた人物。
自分の地位名声には固執しておらず、すべては初代の夢である極道界の日本統一のために動いています。
どちらかといえば理性的で頭脳派なタイプで、むやみに抗争を起こすことは望んでいません。
渡部 圭太
【侠和会】本部長
工藤組系列の極道で、工藤にとっての腹心。
上司である工藤や川谷と部下である財前などの間に挟まれた中間管理職のような立場となっており、苦労を重ねています。
中島 勇気
【侠和会】中島組組長
氷室や田村の指示に従う、いわゆる氷室一派の一員。普段は軽快で冗談も言うような気さくな性格ですが、氷室の敵や組の敵に対してはかなり無愛想な人物。
頭の回転はそこまでよくないようですが、空気は読めるタイプ。
大成 虎雄
【侠和会】川谷組幹部
田村にべったりくっついている武闘派の男で通称「トラ」。かなりの武闘派で頭の方は空っぽな印象。
仲間内での人情話には弱く、女の子にも弱い性格。
坂口 丈治
【侠和会】山崎組 構成員
川谷の実子で、現在は氷室の下で修行中の身。当初はただの暴れん坊でしたが、極道入りして男を磨きます。
父譲りの度胸の良さを持ち、物怖じすることは殆どない様子。教育係の健太の元で極道とはなにかを学び始めます。
財前 直也
【侠和会】工藤組幹部
工藤組系列で渡部の部下にあたる人物。思慮が浅く、出世欲も強いために、台頭する山崎組一派を敵視しています。
工藤会長が己の保身よりも「侠和会による日本統一」を夢に掲げている事を考えると、不忠の輩とも言えるでしょう。
武闘派で物怖じしない性格でもあるため、物事を起こすときはかなり強引に動きます。
馬場 伊左雄
【侠和会】若頭補佐
馬場は侠和会のNo3の位置にいる重鎮。野心家で単純そうに見えますが、実は懐の深いところもあり、1世代前の極道を地でいく男といった印象です。
会長やNo2である川谷の心づもりを理解して行動しています。
木島 一茂
【侠和会】幹部
山崎派か工藤組派かでいえば、工藤組派に属している極道で、根は実直であるものの、周りに流されやすく、いざという時の判断力に多少難があります。
本作から幹部入りし、幹部会に出席するようになります。
秋本 照政
【丸神連合】三田組 組長
関東を統べる丸神連合の重鎮で、丸打組と水神会を合併させることに心血を注いだ人物。
氷室とは兄弟分の仲となっており、お互いにトップになるまでは極力争わないようにいようと決めています。
沖田 学
【丸神連合】沖田組組長
元々は丸打組と水神会の合併に反対していた人物ですが、秋元の男気に触れて合併に賛同します。
性格は荒々しく武闘派で、侠和会はただの敵だと思っている点で、秋元とは大きく違います。
若宮 猛
【丸神連合】三田組幹部
日本統一1から登場している関東の極道。当時は性格の悪いイヤな人間でしたが、心変わりして今では度胸も人情もある立派な男。
秋本不在の間、三田組を支えており、氷室とも兄弟分の間柄です。
野宮 祥裕
【東北神農会】菖蒲川一家 会長
先代の会長が急死したことで、会長になった人物。部下の信頼が薄いのが難点で、彼が会長になったことで菖蒲川一家だった則坂と平山が離反してしまいます。
侠和会の馬場とは兄弟盃を交わした仲であり、ライバルである進友会を抑えるべく、頼ってきます。
平川 進
【東北神農会】進友会 会長
東北きっての傑物といわれる男で、その名前は協和会にも響くほど。東北神農会では野宮と争っており、犬猿の仲となっています。
「博徒は信用ならぬ」と考えており、的屋系極道の矜持を胸にいきている人物。男気があって判断力もありカリスマ性は高め。
則坂 宣光
【東北神農会】元菖蒲川一家 則坂組組長
菖蒲川一家の代替わりで、野宮にはついていけないと離反した人物。
ずる賢く、己の手を汚さずに行動するのが得意なタイプで、西日本睦会の福本と似たような性格をしています。
平山
【東北神農会】元菖蒲川一家 平山組組長
則坂と同じく、菖蒲川一家の代替わりで、野宮にはついていけないと離反した人物の一人。
水神会から割って出た菊池を匿い、二人で東北の覇権を狙うべく手を組みます。しかし菊池が殺され、沖田に脅される形で丸神連合入りします。
植木 尚人
【極山会】植木組組長
東北に居を構える的屋系組織である極山会の幹部。
氷室とは刑務所時代に兄弟盃をかわしており、氷室を兄貴と慕っている人物。
極道の割には人当たりがよく、あまり揉め事を好まない性格をしています。
アヤ
【一般人】
青森でスナック「セピア」を構える店主。平川とは過去に付き合っていたことがありますが、平川が刑務所入りした時に別れた様子。
堀井 謙介
【大日本礎會会長】
氷室と兄弟分の中である大日本礎會の会長。顔が広く全国の極道が無視できない立場となっているが、本人は極道ではないために直接抗争には参加しません。
植木 尚人
【極山会】植木組組長
東北に居を構える的屋系組織である極山会の幹部。
氷室とは刑務所時代に兄弟盃をかわしており、氷室を兄貴と慕っている人物。
極道の割には人当たりがよく、あまり揉め事を好まない性格をしています。
カナエ
【一般人】(写真右)
大日本礎會の会長である堀井の妹。キャバクラで働いており、氷室に恋心をもっている人物。
アケミ
【一般人】
川谷が務めるバーのママで、川谷の妻。川谷は何度か離婚と結婚をくりかえしているようなので、何度目の妻かは不明ですが、 丈治にとっては義母に当たります。
演じているのは元グラビアアイドルの宮内 知美。
まとめ
ポイント
- 東北神農会が侠和会入り、平川が極山会に鞍替えしたことで、東北覇権は一旦落ち着く
- 日本統一15では再び西日本睦会と激突する
- 健太は丈治の育て役、アヤとの失恋を乗り越え、一段と極道らしくなる。西日本睦会との抗争では大活躍する
日本統一12から続いた東北の騒動は決着がつきましたが、極山会や平川、東北に進出した財前組や丸神連合の豊中組などは、後々のエピソードで再登場します。
特に平川は何度も登場する重要な人物であり、東北にかんするエピソードでは主役級といっても過言では有りません。
日本統一15からは、再び西日本睦会との戦いとなり、狡猾な福本との争いが激化します。また今まで下働き扱いだった丈治が極道入りし、大きな成長をみせていきます。