侠和会では川谷がNo2(若頭)となり、本作から川谷の力がとても強くなります。
本作(日本統一8)では、岐阜で抗争が勃発し、氷室にとって無視できない広島極道の強敵が初登場するエピソードでもありますが、パクリ屋事件、暴行事件、建設事業の斡旋事件という3つの事柄が絡まっている難解なエピソードなので、1回視聴しただけでは理解が難しいかもしれません。
そこで今回は、それぞれの事件を簡単に説明しつつ、ポイントを絞って日本統一8のあらすじをご紹介したいとおもいます。
ちなみに本作では、氷室に新たな兄弟分が出来るエピソードでもあり、彼がもつ強力な力は今後の侠和会の命運も左右していきます。
「日本統一8」あらすじ
新体制の山崎組
山崎組は組長の川谷が侠和会若頭(No.2)になり、三上組も吸収したことで侠和会内で最大の人数を誇る派閥となります。
若頭が氷室、若頭補佐に町田、2代目龍征会会長は健太、舎弟頭は村上となり、村上以外のメンバーは三上組から来た氷室一派ばかりの面子です。
山崎組の古株達は難色を示すものの、氷室は「オヤジ(川谷)の命令だ!聞けないのか?」と強引にねじ伏せます。
氷室としては、今後はさらなる活躍をして古株たちを納得させつるもりで、それでも納得がいかないものは「親の命令に背く極道」と考え、山崎組から排除するつもりだと川谷に伝えます。
パクリ屋事件
氷室が弟分である宮本と飲んでいると、彼の兄貴分である大日本礎會(政治結社・右翼団体)の会長である堀井 謙介と出会います。
(堀井は今後のエピソードでも何度も登場する人物です)
数日後、彼の紹介で糸中建設の佐藤専務、その下請け会社である新山建設の新山社長に合います。
話によると新山建設は資金繰りに困って、手形詐欺にあってしまったそうです。その手形の額面は5000万円で、手形を入手した天竜会という極道組織に6000万円を今月中に払えを脅されてるので困っているとの事です。
糸中建設の佐藤専務曰く、新山に3000万円までは融資できるのだが6000万円は無理なので、極道組織に話をつけて欲しいとお願いされ、氷室は了承します。
氷室の魂胆としては、極道の中だけでなく、右翼や政治団体、大手企業にコネを作っておきたいという考えがあり、金銭的な報酬は気にしていません。
氷室はまず、中島と川上を天竜会のもとに行かせ、5000万の半額である2500万で話をつけさせるように命じます。しかし天竜会の会長、天野は「そんな額ではだめだ!」「侠和会なんかにびびらないぞ!」といい撥ね付けられます。
そこで氷室みずから天竜会の元に出向き、天竜会の希望である6000万に更に色をつけた額を提示し、強引に手形を奪い返します。
こうして新山社長は大感謝、佐藤専務も喜びますが、糸中建設の社長は「極道組織なんて・・・」と良い顔をしません。
岐阜の暴行事件
北仁会会長の金澤は、大阪抗争(日本統一6~7)の際に田村の舎弟になった男です。
金澤の弟も焼肉店をオープンさせ、不満なく生活していたのですが、たまたま金澤が弟の焼肉店で食事をしていた時に、柳ヶ瀬連合という岐阜極道の若手連中に喧嘩を売られ、弟ともどもボコボコにされ、重症を負います。
この事を知った田村は弟分の惨事に怒り心頭し、柳ヶ瀬連合の若手を半殺しにします。
柳ヶ瀬連合の北村会長は、「大組織の侠和会に喧嘩を売るなんて!」と恐怖し、若者連中に指をツメさせるが、会長自ら誤りに来ないことに田村は激怒します。
北村会長はこの頃、簡単に事件が収まるとは思っておらず、広島で大きな力を持つ玄誠会に仲裁を頼みに行っていました。
神戸の建設事業と玄誠会
侠和会に大物政治家から仕事依頼があり、川谷と氷室が請け負います。
彼の支援団体である神戸の公共事業が広島の高梨組に仕事を奪われて困っているのだそうです。
調べてみると元請けは糸中建設であり、高梨組は玄誠会の福本がバックについているとの事。氷室は解決することを約束します。
糸中建設といえば、パクリ屋事件でも関わり合った相手なので、氷室は関係性を怪しみ始めます。
玄誠会VS侠和会
侠和会と柳ケ瀬連合の争いに玄誠会の福本が仲裁に立ちます。しかし仲裁とは名ばかりで柳ケ瀬連合に肩入れしているようです。
(福本という男は、侠和会や氷室にとって暫く難敵として登場するので覚えておくと良いでしょう。)
柳ヶ瀬連合側は1000万円と北村会長の指を差し出すので許してくれと言いますが、川谷は北村会長が引退し柳ヶ瀬連合を解体しろと言います。
これはかなり無茶なお願いで、ようするに柳ヶ瀬連合のシマを侠和会がすべて奪ってやるぞという脅しです。
最終的に、1000万円と北村会長の指にプラスして、岐阜に侠和会の事務所を構えることを許させるということで決着しますが、北村も福本も心では納得しません。
川谷としては、1つでも事務所を構えてしまえば、あとはジリジリとシマを広げていって柳ヶ瀬連合を潰せば良いと考えています。
糸中建設の謎
糸中建設に不信感を感じた氷室は町田の紹介でブラックジャーナリストの松山という男と接触します。
彼に調べさせると、糸中建設の佐藤専務は、カジノ好きで会社の金を横領してつぎ込んでおり、そこを玄誠会に掴まれて癒着しているとの事です。
また神戸の公共事業の受注先を玄誠会のフロント企業である高梨建設に受注させていたのも佐藤だとわかり、パクリ屋事件も佐藤が新山建設をはめていたことまで発覚します。
堀井の強力を得てこの事を佐藤に直接突きつけると、佐藤は逆上します。しかし「パクリ屋事件や横領を社長になすりつけて糸中建設を乗っ取ろうとしているだろう!」と氷室が告げると観念します。
この時、堀井は氷室の手腕に惚れ、五分の兄弟分になります。
パクリ屋事件の顛末
天竜会の天野は玄誠会の福本の従兄弟であり、彼の頼みで新山建設をハメていたことがわかります。氷室は激怒し、天竜会の金をすべて回収するとともに、天野もふくめ天竜会の幹部を全員殺してしまいます。
福本にとっては、パクリ屋事件や神戸の建設事業で稼ぎを奪われ、金づるだった佐藤を潰され、柳ヶ瀬連合との仲裁では煮え湯を飲まされ、従兄弟まで殺されてしまったことになり、氷室への怒りを強く感じ、今作以降暫くの間難敵として氷室に立ちふさがります。
「日本統一8」登場人物
氷室 蓮司
【侠和会】山崎組 若頭
日本統一シリーズの主人公。親友の田村と共に極道入りし、川谷の下で日本統一を目指します。
頭が切れる策士タイプで、仲間内には優しく争いを好まない。ただし敵や気に食わない事にはキレやすく暴力的になる一面もあります。
川谷はどんどん出世させようとしていますが、本人はあまり納得がいっていない様子です。
田村 悠人
【侠和会】川谷組 若頭
日本統一シリーズのもうひとりの主人公。氷室を慕い、共に日本統一を目指しています。川谷の事も尊敬していますが、どちらかといえば全ては氷室のため。
喧嘩っ早く単純な思考回路にみえるが察しが良いし、仲間思いで忠義にも厚い人物。氷室とは逆に芯は落ち着いており、氷室がうろたえたり、キレた時は全力で支えます。
氷室の下についていればよく、あまり出世欲はありません。
川谷 雄一
【侠和会】若頭 山崎組総長
氷室と田村の命を救い、極道入りさせた張本人。自身の力だけでなく人を見る目もあり、人情味もある根っからの親分肌。
三上との出世競争に勝ち、侠和会のNo2になります。
菅谷 謙太
【侠和会】龍征会 会長
氷室の姉の子で、氷室にとっては甥。あまり考えずに突っ走るタイプです。
周りに迷惑をかけることが多々あり、本作ではついに侠和会を破門となってしまいます。
氷室に心酔しており、氷室のためなら何でも出来ると考えているあたりは、田村と通じるところがあります。
工藤 雅信
【侠和会】二代目会長
初代の後をつぎ、日本統一2から侠和会の会長として組を引っ張ってきた人物。
自分の地位名声には固執しておらず、すべては初代の夢である極道界の日本統一のために動いています。
どちらかといえば理性的で頭脳派なタイプで、むやみに抗争を起こすことは望んでいません。
渡部 圭太
【侠和会】本部長
工藤組系列の極道で、工藤にとっての腹心。
上司である工藤や川谷と部下である財前などの間に挟まれた中間管理職のような立場となっており、苦労を重ねています。
●中島 勇気
【侠和会】中島組 組長
氷室や田村の指示に従う、いわゆる氷室一派の一員。普段は軽快で冗談も言うような気さくな性格ですが、氷室の敵や組の敵に対してはかなり無愛想な人物。
頭の回転はそこまでよくないようですが、空気は読めるタイプ。
●馬場 伊左雄
【侠和会】若頭補佐
馬場は侠和会のNo3の位置にいる重鎮。野心家で単純そうに見えますが、実は懐の深いところもあり、1世代前の極道を地でいく男といった印象です。
会長やNo2である川谷の心づもりを理解して行動しています。
●町田 駿
【侠和会】山崎組 若頭補佐
町田は氷室や田村が愚連隊の頃から付き合いのある古株です。
冷静沈着で突発的なことはせず、氷室や田村の指示通りに動く忠実な部下とも言えます。
●川上
【侠和会】山崎組 若頭補佐
町田は氷室や田村の子分のような存在で、学生時代から付き合いのある男です。
面倒見がよく、辛抱強さもあるので、ここぞというときは二人に頼られています。
●小堺 透馬
【侠和会】工藤会長付
工藤会長にぴったりとくっついている侠和会幹部の一人です。
立場は高いですが、あれこれと幹部に命令するというよりは、工藤会長や侠和会の意向にそって忠実に動いています。
金澤 宏之(兄)
【侠和会】川谷組内北仁会会長
大阪の極道でしたが、侠和会に入り、田村の子分になります。
力自慢のパワーファイターで、カタギの弟を大事にしています。
金澤 (弟)
【一般人】
川谷組の金澤 宏之の弟で、焼肉屋を経営しています。一般人ですが兄とは交友が深く、兄には恩を感じている様子。
福本 貞夫【NEW】
【玄誠会】幹事長
福本は広島極道の重鎮、玄誠会のNo2の男です。ずる賢くて策略を好み、どうにか利益を得ようと奮闘しています。
関西の大組織、侠和会を敵視しているだけでなく、たびたびぶつかる氷室を目の敵にしており、なんども殺そうとします。
北村 朝雄【NEW】
【柳ヶ瀬連合】会長
柳ヶ瀬連合は、侠和会のせいでどんどん弱体化しており、侠和会を強く恨んでいます。
玄誠会の福本とつながっており、彼の力を頼りにしています。
秋本 照政
【丸神連合】三田組 組長
関東を統べる丸神連合の重鎮で、丸打組と水神会を合併させることに心血を注いだ人物。
氷室とは兄弟分の仲となっており、お互いにトップになるまでは極力争わないようにいようと決めています。
若宮 猛
【丸神連合】三田組 幹部
日本統一1から登場している関東の極道。当時は性格の悪いイヤな人間でしたが、心変わりして今では度胸も人情もある立派な男。
秋本不在の間、三田組を支えており、氷室とも兄弟分の間柄です。
堀井 謙介【NEW】
【政治結社・右翼】大日本礎會 会長
堀井は日本の右翼団体のトップともいうべき男です。彼は弟分である宮本(氷室と刑務所内で兄弟分になった男)から氷室の噂を聴いており、元々好印象であった様子です。
本作では氷室の手腕に感動し、5分の兄弟分となります。
カナエ【NEW】
【一般人】
大日本礎會の会長である堀井の妹。
キャバクラで働いており、氷室に恋心をもっている人物。
●松山【NEW】
【一般人】ブラックジャーナリスト
大物や大企業のスキャンダルを見つけては、揺すってお金を儲けているブラックジャーナリスト。
町田とは、刑務所内で知り合い、親交を厚くしたようです。
●銀座のキャバ嬢(名無し)【NEW】
【一般人】キャバクラ嬢
田村に恋するキャバクラ嬢です。演じているのはセクシータレントの星野 ナミです。
●糸中【NEW】
【一般人】糸中建設社長
大企業である糸中建設の社長ですが、父から会社を継いだ2代目であり、裏社会や人間の黒い部分には疎いようです。
元々は極道を嫌っていましたが、窮地を救われたことで氷室と親交を厚くします。
●佐藤【NEW】
【一般人】糸中建設専務
大企業である糸中建設の専務ですが、会社の金を横領して違法賭博につぎ込んでしまい、極道と繋がっている人物です。
糸中建設を乗っ取ろうとしますが、氷室に阻まれて終わります。
●横山【NEW】
【政治家】
テレビにもよく出演するキャラクターの濃い政治家です。
支援団体の窮地を知り、侠和会に助けを求めます。
●神戸の建設業者【NEW】
【一般人】
横山を支援する神戸の建設業者社長です。
広島の建設業者に不可解な流れで仕事を奪われ、横山とともに侠和会を頼ってきます。
宮本 稜治
【政治結社・右翼】宮本同友會政治連盟議長
氷室が刑務所に服役している頃に知り合った男で、氷室の弟分です。
氷室の頃を尊敬しており、右翼のトップである堀井とつなげました。
植木 尚人
【極山会】植木組組長
極山会という神農系極道に所属する男で、宮本とともに氷室が刑務所に服役している頃に弟分となりました。
神農系は的屋系ともいわれ、博徒系とよばれる侠和会のような組織とは全く稼ぎ方も流派もちがう組織です。
まとめ
ポイント
- 玄誠会の福本は氷室にとって大きな敵となる
- 会長である高坂は反侠和会同盟を発足しようとしているという噂がでる
- 滋賀に足をのばした侠和会は、次作で名古屋に進出する
本作で初登場の玄誠会の福本は蛇のような男で、今作以降いくどとなく卑怯な手を使って氷室の前に立ちふさがり、失敗するたびに怒りを募らせていく強敵です。
彼のバックにいる玄誠会の会長高坂も、反侠和会同盟を発足しようとしており、侠和会の日本統一に暗雲が立ち込めます。また次作からは名古屋編となりますが、玄誠会のせいで侠和会は大きな痛手を追います。