日本統一36ではシリーズ初期の超人気キャラクター三上が再登場します。更に三上現役時の問題児、大宮の遺児を巻き込んだ薬物事件が起こり大きな波乱を生みます。
一方丸神会では派閥争いが激化し、沖田派(穏健派)と菊村&辰巳(武闘派)がついに互いを潰そうと動き出します。
これまで語られなかった三上の引退後の生活や、狂犬の大宮が実は子煩悩であったなど、魅力的な秘密が明かされるエピソードですが、シリーズ初期の頃の登場人物が多く、忘れてしまった人もいるかも知れません。
そこでここでは、本作の重要なポイントにしぼってあらすじを解りやすく解説いたします!
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「日本統一36」あらすじを解説
三上の現在
日本統一1から日本統一7まで登場していた三上は、氷室や田村がはじめに親子盃を交わした組長であり、人望の厚い人が出来た人物でした。
しかし当時、兄弟分の大宮が問題を起こして自ら射殺、氷室と田村が揉めてしまう流れとなってしまい、最後は自ら引退して田村に道を譲り、氷室と田村が仲直りするのを見届けて引退しました。
現在は、飲食店を営む三上観光、土木事業を請け負う三上土木の二社を切り盛りする社長として働いています。
従業員には前科持ちや元極道を雇って校正させるなどしており、一般人として侠和会とも接しており、氷室や田村とはたまに会っていた様子です。
三上土木は今、糸中建設(氷室と癒着のある大企業)の下請けとして東北新幹線の建設事業を行おうと動いており、その仕事を回すように指示したのは、侠和会北陸ブロック長の神山です。
三上観光の方は、飲食店でボーイをさせていたた前科持ちの川村軍平が突然消えてしまって、心配している様子です。
数日後、川村軍平は薬物中毒となっており、職務質問してきた警察官を錯乱して殺傷、さらには立てこもり事件を起こし、最後は逮捕されてしまいます。
この事件は大きなニュースとなり、氷室や田村は気がかりに思います。
一方、三上は元従業員が事件を起こしたことで小野刑事に尋問されます。三上は元々、侠和会の重要な幹部であっただけに、侠和会の癒着もう違われているようです。
小野刑事はあまり具合が良くないようで、この事が後々大きな問題を起こします。
川谷家の異変
川谷家では妻の美南が夫の川谷の浮気を疑っており、非常に険悪なムードとなっています。川谷は家の居心地が悪いようで、氷室、田村と一緒に三上の元に事情を聞きに行きます。
事情を聞くと、実は三上の腹心である石川健一は川村が薬物中毒であった事を知っており、薬物を発見した時に問い詰めたところ、消えてしまったのだとい言います。
その後少しして、川谷はソワソワしながら三上を連れて2人で二人で慌ただしくどこかに行ってしまいます。
「川谷がソワソワする時は、女絡み!」と考えている氷室、田村は浮気に違いないと思い始めます。川谷は結婚するまでかなり女癖が悪かったので、気になるようです。
数日後、侠和会内でも「薬物がらみで侠和会が疑われていること」「三上が困っていること」を理由に、三上を助け、薬物の売人をつきとめようという流れになります。
しかし会長である川谷が薬物事件は自分が解決するから、一切手を出すなと命令をだします。
丸神会が狙う東北新幹線事業
丸神会の末席に身を置く海部は裏で侠和会と内通し、東北新幹線の事業で儲けを出そうとしています。
しかし、ここにきて三上土木の三上が警察に睨まれ始めたので、海部は新幹線事業を乗っ取ろうとしています。
この頃、丸神会では、No2の沖田と武闘派である菊村&辰巳が揉めています。沖田は先を見据えて慎重に行動するタイプですが、菊村&辰巳は「すぐにでも侠和会と戦争したい!」としか考えておらず、意見があいません。
どちらも相手が丸神会から消えれば良いと思っており、沖田は「菊村の部下である海部が侠和会と繋がってるらしいじゃないか!部下も管理できない馬鹿野郎が!」と攻めてたてます。
悔しく思った菊村は事実確認をするために海部に接触し、侠和会と繋がっている事を知って激怒します。しかし海部はこれも丸神のための作戦だと言います。
海部の作戦は、三上土木の周辺で起きた薬物事件を三上の責任にでっち上げて、東北新幹線事業の儲けをすべて丸神会でもらってしまおうというのです。
そしてこの作戦がうまく行けば、沖田を追い出せると言います。
その後しばらくして、海部の腹心である大内が、「海部が薬物をつかって三上を潰すつもり」「薬物ご法度の丸神会で、薬物作戦を菊村が容認しているとわかれば、菊村や海部をクビにできる」と沖田に告げ口します。
しかしそのためには、現物証拠が必要なので薬物を買うお金を出してほしいとすがり、沖田は金を出すことにします。
真相は、これすら海部の作戦であり「沖田が薬物を買うためにお金をだした」という情報だけを三田会長にばらし、沖田を追放、丸神会を菊村&辰巳のものにできるのだと菊村に語ります。
菊村はこの作戦自体はOKだが、辰巳は薬物を使う作戦を毛嫌いするので秘密にしておこうと言います。
大宮の遺児
薬物をばらまいた犯人として大宮隼人という男が逮捕されます。この頃になると小野刑事は非常に体調が悪そうです。
一方、氷室と田村はこっそりと薬物事件をおい始め、同時に川谷の浮気調査を始めます。
そして神戸のあるスナックで川谷が女性と口喧嘩しているのをみつけてしまいます。
女はマユミという名で隼人とは兄弟だということがわかります。さらにこの二人は大宮の子供達なのだという事を知らされます。
大宮とは日本統一4~日本統一5に登場した三上組の舎弟頭で、狂犬のような性格をしていました。氷室を嫌う一方で田村とは家族のように仲が良くなり、彼の死により、氷室と田村は一時期仲違いしていました。
また「日本統一外伝~川谷雄一~」でも語られていますが、大宮は過去に侠和会の敵対組織に騙されていた中国人女性と恋仲になり結婚、子供を2人育てていたと言います。その子がマユミと隼人です。
大宮が死んだ後は、母と子供二人、突然消えてしまい、川谷と三上が捜索し、見つけ出した頃には母の方は売春と薬物で体を痛め、すぐに死んでしまったそうです。
三上は大宮に「俺になにかあったら子供の面倒を頼む」といわれており、その後は三上が家族のようにマユミ、隼人と接してきたと言います。
しかし隼人が逮捕されてしまったことで、「隼人はどこから薬物をてにいれたのだ?」という疑問が生まれ、川谷がマユミに問いただしていたというのが浮気疑惑の真相です。
マユミは、「隼人は薬物なんかやっていない!誰かにハメられている!」と言いますが、一方で中国マフィアともつながりがあるのだと漏らします。
マユミは日本人や極道を毛嫌いしており、信じている日本人は三上だけのようです。
しかし、この兄弟は大宮を殺したのが三上だと知らないので、この事が大きな問題となりそうです。
隼人が脱走
隼人は警察署で小野刑事に尋問されていたが、小野刑事は体調が悪くなり気を失ってしまいます。
そのすきに隼人は警察署から抜け出し、行方をくらましてしまいます。
その後すぐに、罪状は麻薬所持と逃亡の2つになり、テレビでニュースになるほどの凶悪犯と認知されます。
隼人の行方は、中国マフィアと氷室&田村の両方が探し始めますが、中国マフィアの意図はまだわかりません。
氷室は兄弟を救おうをがんばりますが、マユミは極道が大嫌いなので、氷室に協力してくれません。
「日本統一36」登場人物
氷室 蓮司
【侠和会】若頭・龍政会会長
氷室は日本統一シリーズの主人公ともいうべき人物。知略にたけた頭脳派ですが、実は喧嘩も強く、本気をだせば田村より強いと田村自身が語っています。
本作では恩のある三上のため、部下を使わず自ら奮闘、中国マフィアと格闘も繰り広げます。
田村 悠人
【侠和会】本部長
田村は氷室に続く準主役の人物。喧嘩っ早く単純ですが仲間には情が厚く、頼れる兄貴分です。氷室がキレた時に抑えられるのは田村だけで、場合によっては田村のほうがずっと冷静です。
わりと刹那的な考えをしており、地位や名声には殆ど興味なし。氷室や川谷、仲間が楽しく生きられればそれでいいと考えているようです。
本作では恩のある三上のため、ひさしぶりに氷室と一緒に二人だけで行動するシーンが目立ちます。
川谷 雄一
【侠和会】会長
川谷は、侠和会の3代目会長。日本統一1作目では侠和会内の山崎組若頭という立場でしたが、どんどんと出世しトップになりました。
極道としてはとても優秀な人物ですが、女関係のトラブルが多く、本作では氷室達や妻に浮気を疑われてしまいます。
三上 哲也
【一般人】元・侠和会若頭補佐
元々は侠和会の若頭補佐で若頭すら狙える大幹部でしたが、氷室や田村のために引退し、現在は一般人として生活しています。
土木業や飲食店を経営しながら、前科持ちや元極道の校正に尽力しており、氷室や田村は今でも頭が上がらない人物。
面倒見がよく、川谷とは盟友といえる間柄です。
石川 健一【NEW】
【一般人】元・三上組幹部
侠和会にいたころは、三上の腹心として腕を奮っていた人物です。三上が引退する時に一緒に引退し、現在も三上を補佐する立場で奮闘中。
三上に似て面倒見の良い人物のようで、極道稼業には未練がない様子です。
大宮 和也
【故人】三上組 舎弟頭
三上や川谷とは旧知の仲で、特に三上とは相棒のような存在だった人物です。
喧嘩っ早く粗暴で、狂犬のような人物でしたが、認めた相手には尽くしたり、面倒見が良かったりと、2面性のある男でした。
最後は大暴走して、三上に殺されてしまいますが、その事実を彼の子どもたちは知りません。
大宮 隼人【NEW】
【一般人】大宮の息子
大宮とメイファが残した遺児で、多少素行が悪く前科持ちの男ですが、そこまで性格の悪い人物ではなさそうです。
本作では薬物所持で逮捕されてしまいますが、姉のまゆみいわく、「誰かに利用されている」との事です。
大宮 まゆみ【NEW】
【一般人】大宮の娘
大宮とメイファが残した遺児で、隼人の姉にあたる人物です。現在はスナックを経営している様子。(おそらく、三上が援助している)
三上のことは信用している一方、日本人や極道は一切信用しておらず、むしろ親の仇と考えています。
父を殺した犯人(三上)をしらず、この事が後々問題になりそう。
大宮 メイファ
【一般人】大宮の妻
「日本統一外伝~川谷雄一~」で登場した中国人の売春婦で、極道に飼い殺しにされていましたが、大宮が救い、のちに結婚します。
大宮の死後は、また売春婦に身を落とし、失意のまま死んでしまいます。
神山 実
【侠和会】北陸ブロック長
元々は北陸地方で侠和会や丸神会に属さない極道でしたが、大きな抗争がおこり、侠和会に入った人物です。
ライバルである海部と違って、義理や人情を大切にしており芯のある男です。
現在は北陸新幹線の事業を請け負っており、三上土木に発注しています。
●中島 勇気
【侠和会】中島組組長・四国ブロック長
中島は、氷室に従う部下の一人。氷室と田村からの信頼も厚く、彼自身も忠義に厚い人物です。
派手に手柄を上げるタイプではありませんが、独断専行するようなこともなく、サポート力抜群です。
氷室チームの中ではバランスの取れた人物で、知恵も戦闘力もそこそこあり、事あるごとに氷室から指令をうけては忠実にこなしていきます。
● 川上 章介
【侠和会】山崎組若頭補佐
川上は中島と同じく、氷室と田村をずっとサポートし続けてきた人物。一度は刑務所にお世話になったこともありますが、復帰後も前と変わらず支え続けています。
氷室も「いつも損な役回りをおしつけてしまう」と語っていますが、本人は気にしておらず、氷室と田村のために身を粉にして働く、縁の下の力持ちです。
本作でも氷室の手足となり、奔走します。
●坂口 丈治
【侠和会】山崎組 四代目組長
坂口 丈治は川谷の実子。現在は山崎組組長という立場にあります。登場当初はただのチンピラのような性格でしたが、氷室や田村に触れて成長、いまではりっぱな極道となっています。
侠和会の初代会長の実子、権田 陵一とは良いライバル関係で、お互いに意識しあい、どちらが先に出世するか争っている節もありましたが、現在では良き親友でした。
本作ではあまり出番がありませんでしたが、今後の活躍は期待できそうです。
●大成 虎雄
【侠和会】川谷組幹部
田村からは「虎」と呼ばれている田村の子分。氷室に懐いていないわけではないが、どちらかといえば田村にべったり。
田村をもう少し可愛く、かつお馬鹿さんにしたような性格で、粗暴な部分もあるが情に厚く、人情沙汰には弱い様子。
武闘派で田村と一緒に戦うことが多い印象で、何気に戦闘時の反応は早く、田村の良いフォロー役となっています。
石澤
中島と同じく氷室や田村の指示に従う、いわゆる氷室一派の一員ですが、あまりこれといった見せ場は今の所ありません。
中島とおなじく、神戸の暴走族でしたが、氷室たちに惚れて付いていき、そのまま極道になりました。
川村 軍平【NEW】
【一般人】前科持ちの薬物中毒者
前科がある人物で、三上が拾って校正させようとしましたが、薬物に手を出して行方をくらませてしまった人物です。
錯乱して警官を殺傷し、立てこもり事件をおこして、また逮捕されてしまいました。
彼の薬物入手先が大宮隼人ではないかと言われています。
海部 真一郎
【丸神会】我尊会会長
菊村の盃を受けており、丸神会鶴見組直下の極道です。
金勘定や自分の損得しか考えておらず、丸神会に尽くそうとは考えていませんが、強者にはへりくだるところがあります。
本作では北陸新幹線事業をめぐり、侠和会に協力しつつも裏ではすべての儲けを自分のものにしようと画策中です。
大内【NEW】
【丸神会】我尊会 幹部
海部の腹心で、自己中心的な海部に振り回されていますが、彼自身も義理や人情より保身や儲けを第一に考えている様子。
本作では沖田を罠にはめて、菊村と辰巳に組みしています。
三田 太源
【丸神会】ニ代目会長
三田は丸神会を統べる会長。熟考に熟考を重ねて行動するタイプで、衝動的な行動を嫌う。会の事を第一に考えており、己の身可愛さに行動することはない様子。
政治家との癒着にはこりており、今後は極道らしく生きると決めています。
侠和会とおなじく、薬物の使用は許しておらず、その理念が丸神連合内での派閥争いに利用されてしまいます。
沖田 学
【丸神会】幹事長
沖田は、丸神会のNo2ともいうべき人物。三田の指示通りに動いており、時に冷徹な判断もできます。
三田にかわり丸神会の執行部を動かすことも多いのですが、型破りな部下が多く、頭を悩ませています。
どちらかといえば穏健派で、物事は慎重に動かしたいと考えているのですが、武闘派の菊村や辰巳が言うことをきかず、彼らを除籍させようと考え始めます。
●小野寺 和昌
【丸神連合】理事長補佐・極山会ニ代目会長
東北の的屋系極道をまとめる極山会の2代目理事長。平川や植木とは馴染みのある人物。
以前、辰巳が勝手に自分の部下を煽って、平川と植木を襲わせたことに苛立っており、辰巳は除名すべきとすら考えています。
沖田派に属する穏健派で、菊村とも仲が悪い様子です。
●菊村 重政
【丸神連合】幹部・鶴見組組長
菊村は鶴見組のNo2ともいうべき人物だったようですが、鶴見が死んだことで、鶴見組を受け継ぎ、組長となって幹部入りします。
鶴見と同じくかなりの武闘派でイケイケなタイプであり、侠和会に復讐したくて仕方がありません。
幹事長の沖田が侠和会との抗争を始めないのに苛立ちをおぼえており、かなり仲が悪い状態です。
本作ではついに、沖田を下ろして自分が丸神会の中枢に入ろうと企み始めます。
●辰巳 龍三
【丸神連合】三田組 幹部
三田組に所属している武闘派で、三田会長に心酔している人物。
以前、三田会長が権田により殺されかけたことに怒りが抑えきれておらず、三田を思うがばかりに、彼の思惑も確認せず、武力で侠和会を押さえつけようと考えています。
菊村と組んで妥当侠和会に萌えており、沖田派とは仲が悪い状態です。
美南
【一般人】川谷の妻
美南は、元々は小料理屋の女将でしたが、現在は川谷の妻となっています。
侠和会にとっては良い姐さんとして慕われており、大切にされています。
本作では川谷の浮気を疑い始め、かなり機嫌が悪い様子。
中国マフィア(シー・キエンの一派)
【中国マフィア】
川谷や三上と因縁のある中国マフィアですが、頭目がシー・キエンであること以外判明していません。
どうやら大宮隼人とは接触しているようで、本作でおこる薬物事件の真犯人と思われています。
小野【NEW】
【刑事】
神戸県警の刑事で、三上や大宮隼人を尋問する人物。
三上が薬物を使っているとはおもっていないようですが、仲が言い訳でもありません。
ただし極道とは繋がっており、賄賂を貰っているなどまっとうな刑事ではない様子です。
まとめ
ポイント
- 隼人&マユミは実の父が三上に殺されたことを知らない
- 隼人の行方は今のところ不明
- 薬物事件は派閥抗争を起こしている丸神会にも飛び火する
隼人や薬物と繋がる中国マフィアは「日本統一外伝~川谷雄一~」に登場したシー・キエン率いるマフィアの可能性が高いです。シー・キエンは彼らの母親を利用し薬物付けにした人物でもあります。
また隼人とマユミは、父がどこかの極道に殺されたと思っていますが、実は彼らが信用する三上が殺しているので、この事が大きな問題となりそうです。
一方、丸神会では沖田派と菊村&辰巳派のどちらが勝つかで今後の侠和会との関係性が大きく変わる予感がします。