日本統一24ではブロック支部制度を導入することで組織の活性化を図りますが、旧体制より旨味が減ったものから反発がおおくなり、再び揉め始めます。
そんな中、初代会長の実子である権田凌一が登場し、氷室一派にも新たな風が入ります!
また本作は、虎が恋路の果てに厄介事を持ち込んできたり、川谷の新しい恋が濃密に描かれるなどラブロマンスエピソードも多めとなっていてシリーズ珍しい内容となっています。
ここでは「日本統一24」のあらすじから登場人物、おさえておくと楽しめる重要なネタバレから隠れた伏線まで、詳しくまとめていきます。
「日本統一24」あらすじを丁寧に解説
「ブロック支部制度」が導入される
氷室は侠和会のブロック長(幹部)の拠点をそれぞれの支部に移すように指示します。これは「組織が大きくなりすぎて、組織内同士でシノギを奪い合う」という問題を解決するためのもの。各ブロック長がブロック内を管理することによって、組織の末端までしっかりと目を光らせておこうという作戦です。同時に、現在神戸や大阪に有能な人材が集中しすぎているので、これらの人材を生かして赤字となっている地方ブロックを黒字に転換させようという目論見もあります。
<各ブロック一覧>
地域 | ブロック長 |
---|---|
神戸 | 村上 良彰 |
大阪 | 田村 悠人 |
兵庫 | 渋谷 セイゴ |
四国 | 中島 勇気 |
九州 | 黒木 元誠 |
広島 | 中川 至道 |
中部 | 大井 忠雄 |
北陸 | 土岐 匡平 |
東北 | 馬場 伊左雄 |
ほとんどのブロック長は山崎組出身で氷室の息のかかっている信用のおける人物ばかり。ただ神戸ブロックの村上は、侠和会の拠点を抱える神戸を自分が治める事や本部長という役職が自分には過ぎた役職と考え、氷室に辞退を申し出ます。しかし氷室は、「村上の力を信じて任せている。俺の目に狂いはないから、自信をもってくれ」と元気づけ、辞退をなかったことにします。
兵庫ブロックの確執
兵庫ブロック長は渋谷となっていますが、人事が決まった当初から、木島は納得がいっていません。自分のほうが座布団(格)が上なのに何故渋谷の下につかなくてはいけないのだと考えています。
そして本作においては、「自分のほうが座布団が上なのだから、神戸ブロックの取り決めはまず自分に伺いを立てろ」と渋谷に詰め寄ります。
しかし渋谷は「座布団とブロック長は関係がない。ブロック長は自分なのだから、決定権は自分にある」と木島の言い分を突っぱねます。これに激怒した木島は激怒、後々まで遺恨を残す結果となります。
吉田建設と詐欺事件
田村の子分である大成 虎雄(通称トラ)が、田村のもとに相談をもってきます。彼が懇意にしている風俗嬢の身の上話を聞いたところ、彼女の父が経営している吉田建設が闇金絡みの詐欺事件にあい、借金で苦しんているとのこと。彼女もその借金のせいで、風俗嬢に身を貶したとのことです。
田村は全く乗り気になれませんでしたが、可愛い後輩の悩みだからしょうがないと手を貸し、吉田建設を脅していた並木総業に丈治(川谷の息子)と 陵一(初代権田会長の息子)を連れておもむき、壊滅させてしまいます。
これにより吉田建設は借金難から逃れる事ができ、社長は大いに感謝します。この一軒は次作のエピソードに大きく関わる重要な伏線となっています。
大阪府警の真田
ブロック支部制度のもと、大阪に事務所を移した田村のもとに、大阪府警の真田という人物が現れます。一見正義感に燃える鬼刑事のようにみえますが、実は極道や立場の弱い者からお金を巻き上げて好き放題している性根のくさった刑事の様子。
田村は、とりあえずお金を渡しますが、このままにするわけにはいかないと大成 虎雄に素性を洗うよう指示します。
真田は次作にも登場する田村にとっての目の上のたんこぶで、大阪ブロックを仕切る上では大きな障害となっていきます。
四国支部で龍神会の赤瀬の反発が起きる
中島が担当する四国ブロックには日本統一10~11で登場した赤瀬と麻岡の二人がいるのですが、赤瀬は自己顕示欲が強く、中島の言うことをあまり聞きません。そこで氷室と相談して、この2名には引退勧告をだしました。
浅丘は自分が高齢である事や新しい社会は若者が作っていくであろうという考えがあり受け入れたのですが、赤瀬はまだまだ現役と息をまき中島の言うことを全く聞きません。
これにたいし氷室は「しこりが残らないように中途半端な事(制裁)はするな」とだけ命令し、中島もすでに計画がある様子です。この揉め事の顛末は次作で語られます。
初代権田の実子・権田陵一
侠和会初代会長権田の実子、権田凌一が出所してきます。彼は近々権田組の組長となる予定なのですが、粗暴で頭に血が上りやすい性格を治すため、氷室が預かり極道としての修行をさせることになります。
凌一はこの決定をよく想っておらず、氷室のもとにくるなり暴れまわりますが田村に簡単に取り押さえられてしまいます。(田村にとっては赤子同然だった様子)
それ以降、吉田建設の襲撃に参加するなどして田村が教育する一方、同じような境遇(会長の実子)である丈治とは反りが合わず、ライバル関係となります。 丈治にとっては昔の自分を見るようで苛立ちを隠せません。
川谷の恋と襲撃事件
川谷は南風という小料理屋の女将「美南」に恋をしていることが発覚します。そのせいで仕事に身が入らない事もしばしば。極道であることを隠し通いつめている事を知るのは、幹部の中では割と知られていることの様子です。
その事を木島がうっかりと喋ってしまい、渡部率いる元工藤組の耳に入ってしまいます。工藤組は早速ヒットマンを送り、川谷を襲撃。川谷が撃たれたところで本作は幕をおろします。
「日本統一24」登場人物
氷室 蓮司
【侠和会】若頭
日本統一シリーズの主人公。親友の田村と共に極道入りし、川谷の下で日本統一を目指します。
頭が切れる策士タイプで、仲間内には優しく争いを好まない。ただし敵や気に食わない事にはキレやすく暴力的になる一面もあります。
本作から山崎組幹部を中心に、ブロック支部をおくことを指示。
田村 悠人
【侠和会】若頭補佐・大阪ブロック長
日本統一シリーズのもうひとりの主人公。氷室を慕い、共に日本統一を目指しています。川谷の事も尊敬していますが、どちらかといえば全ては氷室のため。
喧嘩っ早く単純な思考回路にみえるが察しが良いし、仲間思いで忠義にも厚い人物。氷室とは逆に芯は落ち着いており、氷室がうろたえたり、キレた時は全力で支えます。
本作では大阪ブロック長として大阪に本拠を構えることになります。
川谷 雄一
【侠和会】会長
氷室と田村の命を救い、極道入りさせた張本人。自身の力だけでなく人を見る目もあり、人情味もある根っからの親分肌。
若頭という身分だったが、工藤の引退により三代目会長になります。早くから氷室の実力を見抜いており、自分の側近とすることで力をつけます。
実力主義の傾向があり、年功序列などは無視する傾向にあり、その事で内部からの反感も買ってしまいがち。
中島 勇気
【侠和会】中島組組長・四国ブロック長
氷室や田村の指示に従う、いわゆる氷室一派の一員。普段は軽快で冗談も言うような気さくな性格ですが、氷室の敵や組の敵に対してはかなり無愛想な人物。
頭の回転はそこまでよくないようですが、空気は読めるタイプ。本作では四国の組内にいる赤瀬に手を焼きます。
大成 虎雄
【侠和会】川谷組幹部
田村にべったりくっついている武闘派の男で通称「トラ」。スタンドプレイをするようなことはありませんが、かなりの武闘派で頭の方は空っぽ。
仲間内での人情話には弱く、女の子にも弱い性格。本作ではユカという風俗帳に入れ込み、厄介事を持ってきます。
川上 章介
【侠和会】山崎組若頭補佐
氷室や田村に学生時代から連れそう古参の子分。
兄貴分の2人には非常に従順で、地位や名声には興味がなく、氷室や田村のためなら何でもする覚悟を持っています。
渋谷 セイゴ
【侠和会】三上組組長・兵庫ブロック長
渋谷は三上組の頃から氷室や田村と縁のある人物。当初は渋谷のほうが先輩なので立場が上だったがすぐに追い越されてしまいました。
その事を田村が気にしたこともあったが、渋谷自身は気にしておらず、自分の格を理解している様子。
兵庫ブロック長となったことで、先輩であるはずの木島より上の身分になってしまい確執が生まれます。
坂口 丈治
【侠和会】山崎組若頭補佐
川谷の実子で、現在は氷室の下で修行中の身。当初はただの暴れん坊でしたが、極道入りして男を磨き、今では聞き分けも良い若手有力株。
父譲りの度胸の良さを持ち、物怖じすることは殆どない様子。氷室からは山崎組の跡目にと考えられており、奮闘中。
同じような境遇にある権田 陵一とは反りが合わない様子。
権田 凌一【NEW】
【侠和会】山崎組若頭補佐
侠和会の初代会長権田の実子で、長らく刑務所に入っていた男。権田組を引き継ぐ予定ですが、あまりに粗暴で短気な性格をしているため、氷室の元で修行することになります。
現在のところは、余り言うことを聞いてくれませんが、田村に喧嘩で圧倒されているためしぶしぶ従っている様子。また同じような境遇である坂口丈治とは反りがあいません。
馬場 伊左雄
【侠和会】舎弟頭・東北ブロック長
馬場は三代目体制のころはNo3の位置にあり、三代目体制においては、年功序列でいえば若頭(No2)になる予定でした。
しかし、川谷の若手育成計画により、舎弟頭の地位に落ちてしまいます。
野心家で単純そうに見えますが、実は懐の深いところもあり、1世代前の極道を地でいく男といった印象です。
木島 一茂
【侠和会】若頭補佐
当初は氷室や田村にとっては兄貴分の位置にいましたが、すっかり追い抜かれてしまい焦りを感じている人物。
根は実直であるものの、周りに流されやすく、いざという時の判断力に多少難があります。
三代目新体制の煽りで、立場が落ちてしまい、打倒川谷と考える元工藤組の連中に拐かされてしまいます。
中川 至道
【侠和会】若頭補佐・西日本睦会会長・広島ブロック長
西日本睦会の会長であり、現在は氷室の仲間内。元々は敵対組織の一員でしたが、氷室に対する暗殺計画などは知らされておらず、反侠和会の代表であった福本が死んだ事で、彼がトップとなりました。
思慮深く、義理や人情にも厚い人物で氷室も信用している様子。
黒木 元誠
【侠和会】若頭補佐・九州ブロック長
氷室の助力もあり、七代目至誠会会長となった人物。現在は九州ブロックをすべて束ねています。
いわゆる九州男児で、竹を割ったような男らしい性格をしています。
平川 進
【侠和会】幹部
テキ屋系の極道というものに誇りを持っている男です。現在は侠和会入りし、氷室を支えています。
義理と人情に熱い一方、不器用な一面もあり、そう簡単にプライドをまげられない昔気質な性格です。
植木 尚人
【侠和会】幹部
植木は「日本統一4」の刑務所内のエピソードで氷室と兄弟分の契を交わした仲。極山会が丸神連合に吸収される事になった折、独立して侠和会入りすることを決めます。
村上 良彰
【侠和会】本部長・神戸ブロック長
元々は氷室より先輩で格上の存在でしたが、氷室に追い抜かれ今では、格下に。
しっかりしているようで実は自分に自信を持てないタイプで、今の地位は氷室が先輩である自分を立ててのことと考えており、プレッシャーを感じています。
大井 忠雄
【侠和会】幹部・中部ブロック長
中部を治める極道ですが、名古屋は丸神会の苗村と領地を二分しており、気の抜けないブロックとなっています。
大きな行動を起こすタイプではありませんが、中部を預かっているという責任感は強く持っている様子。
土岐 匡平
【侠和会】幹部・北陸ブロック長
北陸を治める極道で、わりと血の気の多いタイプ。
近くに侠和会が進出していない北陸地方があるために、勢力を広げようと努力しています。
赤瀬 健児
【侠和会】四国会
日本統一10~11に登場した四国の極道。かなりの高齢ですが、自己顕示欲が強いわりに仕事の能力は低め。
侠和会にとっては老害ともいえる存在であり、本作で引退勧告をされるも言うことを聞きません。
麻岡 光利
【侠和会】四国会
赤瀬と同じく日本統一10~11に登場した四国の極道。かつては血の気の多いタイプで年に似合わずアグレッシブな性格をしていましたが、有能な若頭「吉門」を失った事で大人しくなってしまいました。
本作では赤瀬とともに引退勧告をされますが、麻岡は素直に受け入れ、引退するつもり。
渡部 圭太
【元侠和会】元本部長
工藤組系列の極道で、工藤にとっての腹心でした。出世欲が強く、ライバルである川谷のことをよく思っていません。
工藤は渡部にあまり相談せずに引退、工藤組を解体してしまったために、出世街道から外れてしまいます。
現在は、川谷や氷室を倒して返り咲くべぐ奮闘しています。
倉本 忠司
【???】倉本建設社長
倉本建設という会社の社長ですが、工藤組との癒着が強い会社だったようです。
工藤組が解散してしまったことで、極道とのパイプが無くなった事に不満を感じており、渡部を極道に復帰させようとしています。
金と保身の事しか考えていない業の深い人物ですが、なにかと金の力で強引に解決しようとします。
林
【元侠和会】元工藤組組員
工藤組が解散となってしまったことに納得がいかない、渡部の子分。
「工藤や渡部の引退は、川谷や氷室の陰謀」と考えており、氷室を暗殺しようするなど、手段は選んでいません。
渡部のことを真に考えているかは謎が多いですが、少なくとも氷室のことはよく想っていないようです。
手越
【警察】兵庫県警
兵庫県警に所属する警部の一人。侠和会とは秘密裏に繋がっており、お金を渡すことで懐柔されています。
事なかれ主義で侠和会をどうにかしようとは想っておらず、強硬手段にでる真田には頭を悩ませています。
真田【NEW】
【警察】大阪府警
大阪府警に所属する警部の一人。表向きは極道を許さない熱血刑事のような立ち振舞をしていますが、実際は権力をかさに極道から金を掠め取っては遊んでいる根の腐った男。
田村を良い金づると感じたのか、すりよってきます。
美南【NEW】
【一般人】小料理屋の女将
小料理屋「南風」の女将で、川谷が現在恋している相手。川谷が毎日のように通っているため仲は良好ですが、川谷は自分が極道であることを隠しています。
吉田【NEW】
【一般人】吉田建設社長
闇金からお金を借り、ついには極道に脅されるようになってしまった不運な社長。
借金苦になっているところを田村に救ってもらい、恩義を感じています。
ゆか【NEW】
【一般人】吉田の娘
吉田の娘で、借金を返すために風俗嬢となった娘。大成(トラ)が恋している相手ですが、ゆかの手のひらで転がっているだけの様子。
彼女がトラに父親の借金事情を話したことで事態が好転し、吉田建設は息を吹き返します。
まとめ
ポイント
- 侠和会はブロック支部制度になる
- 各地で反発が起きる。渋谷と木嶋の確執が生まれる
- 沖縄は2分化。のち川谷殺害計画に発展
氷室は今後の侠和会のためブロック支部制度を導入しますが、格下の子分扱いになってしまった木島や、引退勧告を受けてしまった赤瀬など、旧体制より身分を貶してしまう者が出てきたことで反発を買ってしまいます。
特に元工藤組はどんどんとアグレッシブになり、ついには川谷にヒットマンを仕向けてしまいます。一方で田村はトラを教官として暗殺部隊の育成をはじめ、今後の要人始末に役立っていきます。
次作日本統一25では川谷襲撃の直後からはじまり、木島や赤瀬の反発が過激化、さらに吉田建設の詐欺事件が思わぬ方向に発展します。
次回のエピソードを詳しく知りたい方は「【日本統一25】ネタバレ結末!各地で暗殺事件が多発!侠和会内の内通者も明るみに」をご覧ください。